F-105's Page
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128th TFS  / Georgia ANG
↑ 1982年11月 アリゾナ州フェニックスで撮影されたF-105G/62-4425。この機体も1971~1972に掛けてベトナムで388th TFWの元で、ワイルド・ウィーズル専門部隊 17th WWSに所属して、ベトナム戦最後で最大の北爆であったラインバッカーⅡに参加した生き残りである。インテークに白く書かれた機体のニックネームは当時のものを再現して残してある。当時のパイロットは、ジミー・ボイド大尉(Capt,Jimmy・.Boyd)、電子士官は、キム・ペパール大尉だった。
F-105F/G (1978~1983)
↑ 1981年9月 ドビンスで撮影されたF-105G/62-4439。機体の下面まで迷彩塗装を施したオーバーラル・カモフラージュの機体が増え始めた時期で,同隊もこのタイプの塗装機が増えつつあったようだが、F-105Gが引退する1983年の時点でも下面が白いままの旧塗装が残っており、全ての機体が塗装し直したわけではない。面白いのは、この迷彩塗装に変えても、シャークマウスやANGのインシグニア、尾翼の目立つ黄色いラインは残されている事だ。
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↑ 1983年5月 ドビンスで撮影されたF-105G/63-8319。こうして見ると、空軍のロービジ化が進んでも、F-105G引退の年である1983年まで尾翼の白いANGマークを付けていた機体もあった事が判る。
ジョージア州空軍の第128戦術戦闘機中隊は、ドビンス空軍基地をベースにしている。1978年から複座型のF-105F/Gを受領して、カルフォルニア州ジョージ空軍基地の35th TFWが担当していたワイルド・ウィーズル任務を引き継いだ。最初の6機は、1978年9月6日 ジョージ空軍基地からフェリーされて来ている。それまでのF-105運用部隊であるジョージやマッコーネル、リッチモンド等の基地にメンテナンス要員を派遣して教育を行い、徐々に完全な資格取得者増やしていったようである。最終的には、ワイルド・ウィーズル専用機であるF-105Gを24機も所有する大部隊となっている。同隊には、この他にも独自で訓練が出来るよう6機以上のF-105Fも導入されているので、30数機のビックスコードロンであった訳だ。丁度、他のf-105飛行隊が、F-4に機種更新する時期にサンダーチーフに機種更新を始めた為、機体を確保しやすかったと思われる。1980年代には、トルコなど海外の基地での演習参加や訓練も盛んに行われたが、寄る年波には勝てず、僅か5年余りでF-4Dに機種更新せざるを得なくなっていた。(2023年11月 記)
↑ 1982年2月 ジョージア州上空で撮影されたF-105G/63-8319。渡辺師匠のスライド交換相手には恐らく軍関係者も含まれていたと思われ、このような貴重な空撮も存在する。この機体も元は、17th WWSで使われていたF-105Gで”Taffy”というニックネームがあったようだ。
↑ 1981年9月 ドビンスで撮影されたF-105G/63-8336。胴体中央下のラックにはパッケージポッド、左翼の兵装ラックには、シュライク対レーダーサイト用ミサイルのダミー弾が付いている。一目で判るG型の特徴は、主翼のインテーク下あたりの胴体に張り出した電子妨害装置AN/ALQ-105の膨らみである。
↑ 1982年10月 ドビンスで撮影されたF-105G/62-4418。
↑ 1982年10月 ドビンス空軍基地のタキシーウェイを滑走するF-105G/63-8304。ドビンス空軍基地(Dobbins ARB)はアメリカ空軍の予備役部隊の基地で、ジョージア州の北西部に位置するマリエッタ市にある。此処は、戦略ミサイルの生産等を行うロッキード社のマーチン・マリエッタ工場がある事でも有名。つい最近まではE-8ジョイントスターの巣であった。「2023年11月 記」
↑ 1982年10月 ドビンスで撮影されたF-105G/63-8328。国籍マークの右手にある箱のような突起物は、エンジンの過熱を抑えるために、ベトナム戦闘時代の施された改造で、”Safty Pack Ⅱ”と呼ばれた改修点である。これによりアフターバーナーを使う事の多い戦闘行動でのエンジンの発火事故を減少させた。
↑ 1982年10月 ドビンスで撮影されたF-105G。手前から62-4418/63-8265/62-4440で、一番奥の機体は、シリアルが読み取れない。上から2番目の写真を見て頂くと判るとおり、62-4440は1980年には白で大きくシリアルを書いていたが、ベトナム戦争当時のように黒の小さな文字に変更されている。恐らくロービジ化の方針とワイルド・ウィーズル任務の関係かもしれない。
↑ 1981年3月 ドビンスで撮影されたF-105G/62-8328。シャーク・マウスに付いて補足すれば、この犬歯を付けたシャークマウスは、1972年頃ベトナム戦に参加していた338th TFW傘下のワイルド・ウィーズル部隊(17th WWS)が、描き始めたデザインを踏襲している。当時彼らのテールレターは、”JB”。
↑ 1980年8月 ドビンス空軍基地で撮影されたF-105G/62-4440。機首の20mmバルカン砲の射撃を行った後らしく、シャーク・マウス?の部分が煤けている。シャーク・マウスとは鮫口であるが、本来、鮫には長い犬歯は無い。わざわざ犬歯を描いたのは、恐らくイタチの歯を意識しての事である。因みに野生のイタチは、この犬歯を使って自分より大きなサルや山猫などの急所を狙って噛み殺し捕食する恐ろしいハンターでもある。
↑ 1980年5月 セントルイスで撮影されたF-105G/63-8264。F型として生産されG型に改造された機体で、1970年代初頭は、388th TFWの傘下にあった561th TFSで使われていた機体なので、タイのコンラートでワイルド・ウィーズル任務に付いていた機体と思われる。